和歌山県 令和8年度

価格転嫁とは

コスト上昇が続く中、適正な価格で取引を行うためには、価格転嫁への理解と準備が重要です。
本ページでは、価格転嫁の基本的な考え方、制度のポイント、実現によるメリット、そして和歌山県の支援内容をご紹介します。

価格転嫁がいま求められている理由

近年、企業を取り巻く経営環境は大きく変化しています。コロナ禍以降、物価の高騰が続いており、特に石油・石炭製品をはじめとするエネルギー関連の価格上昇は、事業活動全体に大きな影響を与えています。また、人件費についても上昇傾向が続いており、企業はコスト増への対応を避けて通れない状況にあります。こうした環境の変化に適切に対応するためには、上昇したコストを取引価格へ反映していくことが重要です。

全国的に見ると、価格交渉そのものは広がりつつある一方で、上昇したコストを十分に価格へ反映できている企業はまだ多くありません。和歌山県内においても、価格転嫁率は全国平均とおおむね同水準にあるものの、十分に転嫁できていない企業が存在しており、今後も取組を進めていく必要があります。

価格転嫁とは何か

価格転嫁とは、原材料費、エネルギーコスト、労務費など、商品やサービスを提供するために必要なコストの上昇分を、販売価格や取引価格に適切に反映することをいいます。

価格転嫁が適切に行われない場合、企業はコスト増を自社の努力だけで吸収せざるを得ず、利益の圧迫につながります。その結果、設備投資や人材育成、賃上げのための原資を確保しにくくなり、事業継続にも影響を及ぼすおそれがあります。

一方で、適正な価格転嫁が進めば、企業は必要な利益を確保しながら、品質の維持・向上や将来への投資に取り組みやすくなります。価格転嫁は、県内事業者の経営基盤を支えるうえで重要な取組です。

コスト上昇
原材料・エネルギー・労務費
価格へ反映
適正価格での取引
利益確保
経営基盤の安定化
成長へ投資
設備投資・賃上げ

価格交渉を進めるために必要な準備

適切な価格転嫁を実現するためには、取引先との価格交渉が欠かせません。そして、価格交渉を円滑に進めるためには、事前の周到な準備が重要です。感覚的に価格改定を申し入れるのではなく、自社の状況や外部環境を整理し、根拠を持って説明できる状態を整えることが求められます。

自社の現状把握

自社の現状を正しく把握することが重要です。原価計算ツール等を活用し、商品やサービスごとのコストと、費目ごとの増加額を整理することで、価格交渉の土台となる情報が明確になります。

市場動向の把握

原材料価格の推移や業界全体の動向等、客観的なデータの把握も重要です。市場環境の変化を踏まえることで、価格改定が外部要因に基づくものであると説明しやすくなります。

取引先の状況把握

取引先の経営方針や業績動向、商慣習等の把握も交渉において有効です。相手の状況を理解し、適切なタイミングや進め方を検討することで、現実的で納得感のある提案につながります。

独立行政法人 中小企業基盤整備機構
「価格転嫁検討ツール」

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埼玉県
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取適法(中小受託取引適正化法)とは

令和8年1月から、これまで「下請法」と呼ばれていた法律は、「中小受託取引適正化法(取適法)」へと名称が改められました。

取適法では、従来の資本金基準に加えて従業員基準が設けられるなど、対象範囲の見直しが行われています。また、対象取引の拡大や、協議に応じない一方的な代金決定の禁止、手形払等に関する規制など、取引の適正化に向けた改定が盛り込まれています。

これは、原材料価格や労務費などの上昇がある中で、受注側に一方的なしわ寄せが生じないようにし、適切な協議を通じて公正な取引を進めるための制度です。価格転嫁は、こうした制度の趣旨とも深く関わっており、適正な価格での取引を実現するための重要な考え方の一つといえます。

※制度の詳細については、関係省庁等が公表する最新情報をご確認ください。

中小受託取引適正化法(取適法)関係 | 公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/partnership_package/toritekihou.html

価格転嫁実現によるメリット

適切な価格転嫁には、足元のコスト増への対応にとどまらないさまざまなメリットがあります。
まず、上昇したコストを適切に価格へ反映することで利益の圧迫を防ぎ、持続的な収益力の向上と安定した経営基盤の構築につながります。
また、適正な利益を確保することは、省力化や業務効率化、生産性向上に向けた設備投資を進めるうえでも重要です。
加えて、十分な利益は賃上げの原資確保にもつながり、優秀な人材の獲得や従業員の定着といった好循環をもたらします。
そして、コスト上昇分を反映する防衛的な値上げにとどまらず、自社の付加価値を価格に反映する「価値提案型の価格交渉」を行うことで、取引先との継続的かつ強固な関係づくりが可能となります。

利益確保
収益力の向上
投資余力
設備投資の原資確保
賃上げ
人材確保・定着
関係強化
Win-Winの取引関係

和歌山県では、価格転嫁の取組を
総合的に支援しています

和歌山県では、県内事業者の適切な価格転嫁の実現を促進するため、本事業を実施しています。価格転嫁の取組への理解を深めるためのセミナーを開催するとともに、より実践的な手法を学ぶことができるワークショップの実施、さらに原価計算や価格交渉の手法に精通した専門家による伴走支援を通じて、事業者の価格交渉スキル向上等を総合的に支援します。

価格交渉や価格転嫁に不安を感じている方、これから取り組みたいと考えている方は、ぜひ本事業をご活用ください。

実践セミナー

価格転嫁の基本的な考え方や、価格交渉を取り巻く最新の状況、取適法のポイント、価格交渉の進め方などを学ぶことができます。初めて価格交渉に取り組む方や、基礎から理解を深めたい方におすすめです。

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より実践的な手法を学び、自社での対応につなげるためのプログラムです。実務に近い視点で、価格交渉や価格転嫁の進め方を整理したい方に適しています。

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個別伴走支援

原価計算や価格交渉に関する課題について、専門家が個別に支援します。自社の状況に応じた具体的なアドバイスを受けながら、価格転嫁の実現に向けて取り組むことができます。

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まずは、理解を深めることから始めませんか

価格転嫁を進めるためには、制度や考え方を理解し、自社の状況に応じた準備を行うことが大切です。和歌山県では、県内事業者の皆さまが価格交渉・価格転嫁に取り組みやすくなるよう、段階に応じた支援を行っています。ぜひ、実践セミナーやワークショップ、個別伴走支援をご活用ください。

お問い合わせ

令和8年度和歌山県 価格転嫁促進事業事務局
Mail: info@wkakaku-tenka.pref.wakayama.lg.jp
運営事務局:株式会社船井総合研究所